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ふるさと住民登録制度の「担い手活動」とは? 自治体・地域事業者のための設計ガイド
2026年度に創設される「ふるさと住民登録制度」。関係人口をアプリで可視化し、地域の担い手確保につなげる新しい仕組みとして、7道県21市町村のモデル事業も動き出しました。
この制度を語るうえで欠かせないキーワードが「担い手活動」です。制度の"深い"登録区分であるプレミアム登録は、この担い手活動を軸に設計されています。しかし自治体や地域事業者の担当者からは、「そもそも何を担い手活動にすればいいのか」「どう決めれば制度の趣旨に沿うのか」という声が多く聞かれます。
本記事では、「ふるさと住民登録制度」ガイドライン【Ver.1.0】 をもとに、担い手活動とは何か、どんな考え方で指定・設計すればよいのかを、制度を運用する側の視点で整理します。

担い手活動は「プレミアム登録」のカギ
ふるさと住民登録制度には、関わりの深さに応じて2つの登録区分があります。誰でも登録できる「ベーシック登録」と、地域で継続的に活動する人向けの「プレミアム登録」です。
このうちプレミアム登録の必須要件が、「年3回以上、自治体が指定する担い手活動を実施すること」。つまり担い手活動は、関係人口を"応援してくれる人"から"実際に地域を支える人"へと引き上げる、転換のスイッチにあたります。
プレミアム登録者には、交通費・宿泊費の補助やワーキングスペース利用料の補助、公共施設の住民並み利用といった手厚いサポートが用意されます。これらは公費を伴う支援であるため、その入口となる担い手活動には、相応の公的な正当性が求められる——この点が設計の出発点になります。
なお、来訪ハードルの高い地域に配慮し、必ずしも3回の来訪を要件とせず、連続する3日間の活動を「3回の活動」として扱うことも認められています。

担い手活動として想定される4つの区分
ガイドラインは、担い手活動として想定される事例を大きく4つに分類しています。
①自治体が指定するプロジェクトへの参加 農業ボランティア、清掃活動、雪下ろし、草刈り、イベントの企画運営など。担い手の確保を必要としている活動への参加が典型です。
②指定する副業の実施 地域で行われる事業に、地域活性化起業人(副業型・シニア型)として参画する、ふるさとワーキングホリデーの業務に従事する、といったケースです。
③公共的団体での活動 自治会、NPO、まちづくり団体、消防団、RMO(地域運営組織)などに所属し、事務や集会運営などの役割を果たす活動です。
④公共的役職での活動 観光PR大使、各種審議会の委員、アドバイザーなど、任命・委嘱を受けた役職として地域に関わる活動です。
これらは「閉じた法的分類」ではなく、あくまで想定される事例です。自地域の実情に合わせて具体化し、今後の運用のなかで広げていくことができます。
「指定」の2要件——公費に見合う正当性
自治体が活動を担い手活動として「指定」する際には、次の2つを満たす必要があります。
担い手不足への対応であること
— 人口減少などを背景に、実際に人手が足りていない領域を埋める活動であること。
公共性・地域貢献が十分に認められること
— 活動の内容や時間に照らして、特定の個人や一事業者の私的利益にとどまらず、地域全体の役に立つと言えること。
ポイントは、これが厳格な審査手続きではないことです。担い手活動の指定は自治体の意思決定で足り、要綱の作成や国への届出は不要。機動的に始められる一方で、「なぜこれを担い手活動としたのか」を対外的に説明できる範囲で指定することが求められます。副業のように判断に幅が出る領域は、②の公共性で説明できるかを基準に整理すると迷いにくくなります。

担い手活動を設計する3つの考え方
制度の枠組みを踏まえたうえで、実務として「何を・どう指定するか」には設計の余地があります。ここでは3つの論点で整理します。
論点1:起点は自地域の課題に置く 世の中にある活動メニューから選ぶのではなく、「自分の地域のどの分野が担い手不足か」を先に特定し、そこから逆算して活動を指定します。指定の幅も重要で、狭すぎれば登録者が年3回に届かず裾野が育たず、広すぎれば公共性が問われます。ちょうどよい幅の設計がカギです。なお、自治会やNPOでの活動などは個別ではなく包括的に指定でき、運用を軽くできます(指定先はリスト化しておくのが望ましいとされています)。
論点2:裾野を担い手へ「転換」する導線をつくる ベーシック登録で情報を眺めているだけの層に、現地で役割を持つ体験を用意できるかが分かれ目です。いきなり「年3回の担い手活動」はハードルが高いため、お試し移住で地域との相性を確かめ、地方副業や一次産業体験で最初の一歩を踏み出す——といった、無理のない導線設計が効きます。
論点3:誰が現場を回すかを決める 制度を一過性で終わらせないためには、運営体制が欠かせません。ガイドラインでは、地域課題の把握から実績確認までを担う「ふるさと住民コーディネーター」の設置が想定され、特別交付税措置(1人あたり上限500万円、兼任は40万円)も用意されています。加えて、担い手ニーズの集約や活動実績の捕捉(QRコードの読み取り等)は、自治会や農家など地域の関係団体との連携が前提になります。
民間事業者・地域事業者の役割
ガイドラインは「民間事業者との連携」を明記しており、プレミアム登録者に限定した新サービスの提供や、登録者情報のシステム連携なども想定されています。つまり担い手活動は、行政だけで抱え込むものではなく、地域の受け皿を持つ事業者との協働で回していくものです。
たとえば、お試し移住プログラムを提供する「Localry(ローカリー)」は、全国の関係人口に地域の暮らしと役割を届ける民間パートナーとして活用できます。お試し移住で地域との相性を確かめ、地方副業や一次産業体験を通じて「地域での役割」を持つ体験は、まさにプレミアム登録の担い手活動へとつながる入口です。掲載プログラムの企画・クリエイティブ制作・SNS発信まで伴走できるため、担い手活動の募集と集客を、自治体の負担を抑えながら進められます。

まとめ:まず「担い手不足マップ」を1枚描くことから
担い手活動の設計は、制度の成否を左右する中心的な作業です。難しく考える前に、まずは「自地域のどこに担い手不足があるか」を一覧にし、その解決に関係人口の力をどう当てるかを考える——この一歩から始めるのがおすすめです。そのうえで、最初に指定する活動を1つ決め、募集と転換の導線を小さく試してみましょう。
Localryは、お試し移住と地域での役割づくりを通じて、関係人口を担い手へと引き上げる"転換"の部分を伴走します。制度の本格運用や令和9年度の予算化を見据えて準備を進めたい自治体・地域事業者の方は、まずは今年度の検証から一緒に始めてみませんか。
Localryで、担い手活動の受け皿づくりを
お試し移住プログラムの企画から、クリエイティブ制作、SNSでの集客まで、Localryがワンストップで伴走します。担い手活動の募集と、関係人口を担い手へ引き上げる導線づくりを、自治体の負担を抑えて進められます。令和9年度の予算化・本格運用を見据えた「今年度の検証」から、お気軽にご相談ください。
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参考
総務省「ふるさと住民登録制度」ガイドライン Ver.1.0(令和8年3月)
総務省 報道資料:ふるさと住民登録制度モデル事業に係る対象自治体の決定






